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人事労務freeeとマネーフォワード給与の違いを比較

 HR Techコラム

2019年9月20日更新

クラウド給与ソフトはたくさんありますが、その中でも特に有名なものが「人事労務freee」と「マネーフォワード給与」です。

 

このどちらかを選んでおけばまず間違いありません。

 

特に会計ソフトをクラウド化している場合、ほとんどが「会計freee」か「マネーフォワード会計」でしょうから、給与ソフトも自然とこの二つのどちらかになるでしょう。

 

今回はこの2大クラウド給与ソフトについて比較してみようと思います。

 

導入検討中の方は参考にしてみてください。

 

会計ソフトとの連携

どちらも同じシリーズの会計ソフトとの連携が可能です。

 

すでにクラウド会計ソフトを導入している場合はあまり迷うことはありません。

 

どうしても自社の制度に合わない場合を除き、同じシリーズの給与ソフトを導入しましょう。

 

勤怠・労務管理・電子申請ソフトとの連携

連携したいソフトが決まっている場合は、そのソフトとAPI連携可能なソフトを選びましょう。

 

マネーフォワード給与

数多くのソフトとのAPI連携が可能です。

(KING OF TIME、Touch On Time、ジョブカン、AKASHI、オフィスステーション、SmartHRなど)

 

人事労務freee

MFクラウド給与と比べると少なめですが、基本的なソフトとはAPI連携可能です。

(KING OF TIME、Touch On Time、SmartHRなど)

 

オフィスステーションと連携できないので電子申請に弱いですが、DirectHRとの連携が控えているので期待したいです。

 

コンセプトの違い

どちらもメイン機能は給与計算なのですが、コンセプトに若干の違いがあります。

 

このコンセプトの違いが各機能の違いに結びついてきますので、最初に解説します。

 

マネーフォワード給与

マネーフォワード給与は、人事労務freeeと比べると給与計算に特化したソフトです。

 

 

給与計算に特化している分、給与計算機能は豊富でできることは多いです。

 

また、給与計算だけでなく、年末調整や一部の社会保険事務、Web明細などにも対応し、非常に使いやすくなっています。

 

ただし給与計算業務に重要な勤怠管理や入社管理、社会保険手続きなどについては外部ソフトとの連携を前提に作られています。

 

人事労務freee

人事労務freeeは既存のソフトとは異なり、統合型ソフトを目指しています。

 

 

給与計算だけでなく、入社管理、勤怠管理、休暇管理、Web明細、マイナンバー管理、年末調整、社会保険手続を全て一つのソフトで完結しようというものです。

 

統合型のメリットは従業員マスタの登録が1箇所で済むことや、担当者や従業員にとってわかりやすいことなどです。

 

こう書くとものすごく高機能に見えますが、実は現状では広く浅くといった感じで、まだまだ機能的に物足りない部分もあります。

 

そのため労務全てをIT化しようとすると結局は外部サービスとの連携を余儀なくされることが多いです。

 

ただ、会社の制度によっては外部サービスとの連携数を減らすことはできるでしょう。

 

料金の違い

それぞれ料金体系が結構違うので、一概に比較することは難しいです。

 

よって本記事では、料金よりも「自社にとって本当に合っているのはどちらか」という観点を重視して比較していきます。

 

機能の違い

設定できること、できないこと

給与計算は実は非常に複雑で、会社の制度によってたくさんの設定をしなければなりません。

 

そこで両ソフトで設定できること、できないことについて解説します。

 

マネーフォワード給与

給与計算に特化しているだけあって、設定できる項目が豊富です。

 

物足りないのが固定残業代の設定ができない点です。個人的には固定残業代という制度自体あまりオススメしていないのですが、制度化されている会社は多いようです。

 

ただ、KING OF TIMEなどの勤怠ソフトと連携させている場合は、工夫して無理やり対応させることもできるようです。

 

また、時給者や日給者に月額の手当が出ている場合、その手当を自動で割増賃金の単価に含めることができません。

 

人事労務freee

マネーフォワード給与と比べると設定できない項目が多いです。

 

代表的なものが複数時給です。1人に設定できる時給が1種類だけなので、飲食店などで時間帯や曜日によって異なる時給を設定している会社には対応できません。

 

また、残業代などの項目が基本的なものしか設定できず名称も変更できないため、任意の項目名で任意の計算式を設定することが難しいです。

 

さらに残念なのが住民税の控除月を選べないことです。必ず給与支給月と連動するので、支給月と一致しない方法で控除している会社は工夫しなければならず、工数が増えてしまいます。

 

MFクラウド給与と比べて優れている点としては、固定残業代には対応しています。

 

どちらにも共通すること

社会保険料の当月徴収にはどちらのソフトも対応していません。現在当月徴収で運用している会社は、できればこれを機に翌月徴収に変更することをオススメします。

 

控除項目で1回◯円という設定もできません。例えば弁当代1日500円というような、回数を入れたら金額が自動で出てくるようなことはできません。なお、マネーフォワード給与であれば、支給項目では回数入力による自動計算は可能です。

 

クラウド給与ソフトを導入するならば、法律から外れた方法や、毎月手当が変動する制度などは見直すことをオススメします。

 

また、産休・育休による社会保険料免除にも対応していないため、一旦保険から喪失したように設定するなど工夫して対応する必要があります。

 

操作性・UIの違い

マネーフォワード給与

 

比較的既存の給与ソフトに近いので、これまでに給与ソフトを使ったことがある方にとっては扱いやすいと思います。

 

ベーシックなのでわかりやすいです。

 

人事労務freee

 

既存ソフトと比べると特殊なソフトです。

 

まず、一般的なソフトでは給与計算の画面で出勤日数などの勤怠項目を入力するものが多いのですが、人事労務freeeでは勤怠画面が別にあります。勤怠を入力しながら計算結果を同じページで確認することができません。

 

ただ、これについては勤怠をソフトで管理することを前提にしているからだと思います。人事労務freeeで勤怠を管理していたり、外部ソフトで管理して連携させれば勤怠を入力するという作業はなくなるので、勤怠を手入力することは想定しない構成にしているのでしょう。確かに勤怠情報だけを確認するのなら別に独立したページがあった方がわかりやすいです。

 

 

また、給与計算画面で手当などを修正しても社会保険料や所得税が自動で更新されないため、手動で更新ボタンをクリックしなければなりません。手当などの固定的給与が変わるのは定期昇給などだけで、基本的には毎月変わるものではないという前提なのでしょうが、これは非常に使いずらいです。

 

CSVで手当データなどを作成し取り込めば自動計算されるのですが、ITに疎い方にはややハードルが高いように感じます。一度覚えてしまえばそんなに難しくはありませんが、Officeやwindowsが最新のバージョンではないとCSVの作成がうまくできない場合もあります。

 

Web明細の違い

どちらのソフトも給与明細をWebで確認できる機能がありますが、少し違いがあります。

 

マネーフォワード給与

明細の公開予約ができますので、指定した公開日に公開されます。

 

公開日以降に個人の明細確認ページにアクセスしてログインすることで確認できます。

 

レスポンシブデザインに対応しているので、スマホ画面に最適化されたページで確認できます。

 

 

ただ、メールでの通知機能がありません。従業員は給与支給日になったら自分でページに見に行く必要があります。ページをお気に入りに入れる、もしくはホーム画面にショートカットを作れば良いのでしょうが、ITに疎い従業員に一人一人説明するのは面倒です。

 

これは従業員体験の面でも親切ではないと感じます。個人的には通知があった方が助かるように思います。

 

人事労務freee

マネーフォワード給与とは違い、メールでの通知機能があります。ワンクリックで全員に一斉にメールを送信することができます。メールの本文にURLがあり、アクセスしてログインすると確認できます。

 

ただし送信・公開予約はできないため、給与を確定したと同時に通知するか、支給日に手動で通知しなければなりません。

 

また、スマホアプリがあるのでアプリで確認することも可能です。ITに疎い従業員にブラウザのパスワード保存機能を説明するのはやや面倒なので、スマホアプリは助かります。おそらく大多数の従業員がアプリで確認することになるでしょう。

 

 

 

アプリにはパスコードロック機能もあるため、ブラウザでパスワード保存させるよりセキュリティ的にも安全です。Touch ID (指紋認証)や Face ID(顔認証)にも対応しています。

 

 

しかしアプリではなくブラウザで見るマイページはPC画面となっており、レスポンシブデザインに対応しておりません。

 

出力できる帳票

どちらも各種帳票を出力できるので、その種類について比較します。違いはあまり大きくないです。

 

マネーフォワード給与

人事労務freeeと比べると、出力できる帳票は豊富にあります。

 

人事労務freee

マネーフォワード給与と比べると少ないです。

 

法定3帳簿(労働者名簿・出勤簿・賃金台帳)や支給控除一覧表、源泉徴収票などの基本的な帳票は出力できるのですが、給与振込一覧表などは出力できません。全銀フォーマットを出力し、オンラインバンキングで振り込むことを前提にしているのでしょう。

 

できるだけペーパーレスでというコンセプトを感じます。

 

年末調整

年末調整については違いはあまりありません。デザインくらいでしょうか。

 

どちらも従業員が直接入力する機能があるので、Web上で完結できます。

 

どちらもスマホ画面に最適化されているので、スマホでも入力もしやすいです。

 

社会保険手続きの違い

マネーフォワード給与

算定基礎届(定時決定)、月額変更届(随時改定)、年度更新、賞与支払届には対応しています。

 

ただし申請書類を作成・出力できるというだけで電子申請には対応していません。

 

しかし2020年4月以降に適用される「社会保険手続きの電子申請義務化」へ対応する方針が、2019年7月22日にアナウンスされました。

https://support.biz.moneyforward.com/payroll/news/law/20190722-2.html

 

どのような形での対応になるかは不明ですが、実現したら非常に便利になることでしょう。

 

また、オフィスステーションやSmartHRと連携すれば現時点でも電子申請は可能です。

 

算定基礎届に関しては、届け出た結果の標準報酬月額にボタン一つで更新することが可能ですが、事前に更新するとおかしくなるため、更新ボタンを押すのは10月支給分を給与を確定する直前まで待つ必要があります。

 

人事労務freee

マネーフォワード給与と同じく4つの届出には対応しており、その中で労働保険料の年度更新については電子申請にも対応しています。

 

また、マネーフォワード給与とは違い従業員の入退社に関する届出書の作成にも対応しているので、社会保険や雇用保険の資格取得届、資格喪失届なども出力できます。ただし電子申請には年度更新しか対応していないので、マネーフォワード給与と同様に電子申請への今後の対応を期待されます。

 

外部ソフトで電子申請する場合は、マネーフォワード給与とは違いオフィスステーションとの連携には対応していませんが、DirectHRとの連携予定です。

SmartHRとも連携できます。

 

マイナンバー機能の違い

マネーフォワード給与

従業員や扶養家族のマイナンバーを入力することはできますが、従業員を招待して従業員に直接入力してもらう収集機能は、別途マネーフォワードマイナンバーを契約しなければ利用できません。

 

人事労務freee

従業員を招待して収集する機能を利用できます。本人確認書類はスマホで撮影してアップしてもらえばOKです。

 

まとめ

最後にこれまでに比較したものをまとめ、それぞれどういった会社が合っているかをお伝えして終わります。

 

ここまで長々と解説してきましたが、よくわからず決めきれない場合は導入支援を専門家に依頼することをお勧めします。

 

一度導入してしまうと変更するのはハードルが高いです。

 

自社にあったソフト選びから適切に運用できるような初期設定など、HRテック導入では最初が肝心です。

 

当事務所は初期設定から運用支援までをパッケージにして提供しておりますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

 

https://www.sankokai-sr.jp/service/system.html

 

マネーフォワード給与 人事労務freee
コンセプト 給与特化型 統合型
勤怠管理機能 ×

(連携前提)

(シンプルな制度のみ対応)

勤怠ソフトとの連携

(ジョブカン勤怠管理はCSV対応)

労務管理・電子申請ソフトとの連携

(SmartHR対応)

(オフィスステーション対応)

(SmartHR対応)

(DirectHR対応予定)

固定残業代 ×
複数時給 ×
時間外労働手当の任意設定
時給者日給者の月額手当を

割増賃金の単価に自動で含める

×
住民税の控除月選択 ×
社会保険料の当月徴収 × ×
支給項目の回数入力による自動計算 ×
控除項目の回数入力による自動計算 × ×
UI
Web明細(スマホ画面最適化)

(アプリ以外はPC画面)

Web明細の公開予約 ×
Web明細の公開通知メール ×
Web明細のスマホアプリ ×
ソフトからの給与直接振込

(2行のみ対応)

×
出力可能帳票種類
マイナンバー管理

マネーフォワードマイナンバーとの連携推奨)

年末調整
入社時の情報収集 ×

(SmartHRと比べると使いにくい)

社会保険手続

(取得喪失などは不可)

(年度更新は電子申請も可)

 

マネーフォワード給与がオススメの会社

・マネーフォワード会計を利用している

・給与明細の公開予約がしたい

・複数時給を導入している

・住民税を当月徴収にしたい

・ジョブカン勤怠管理やオフィスステーションと連携したい

・様々な種類の帳票を出力したい

・毎月変動する手当がある

 

人事労務freeeがオススメの会社

・会計freeeを利用している

・給与明細発行をメールで通知したい

・給与明細をスマホアプリで確認したい

・出来るだけ従業員マスタの入力先を減らしたい

・出来るだけ扱うソフト数を減らしたい

・勤務制度がシンプル(土日祝日休みなど)

・固定残業代を導入している

・時給者や日給者に月額の手当を支給している

・新入社員に住所や扶養家族などの本人情報をWebで入力してもらいたい

・入退社に関する社会保険手続も行いたい


 
 
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